借地権の評価について
借地権とは
被相続人の遺産には現金だけでなく、土地が含まれる場合もあります。相続税の申告が必要な場合は土地の評価を正確に算出する必要があります。土地は更地とは限らず、各種権利が乗っていることも多く、その代表例として借地権があります。借地権とは、建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借、つまりその土地に対して「所有者から借りて使用する権利」のことを言います。
定期借地権と普通借地権
定期借地権
定期借地権とは契約期間の定めがある借地権のことを言います。定期借地権には3種類(一般定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付定期借地権)あり、相続開始時に帰属する経済的利益と存続期間をもとに評価されます。
- 一般定期借地権
借地権の存続期間を50年以上に設定して、期間が満了したら権利が消滅する借地権です。期間が50年以上と長いため、長期的に使う予定がない土地をお持ちの方に向いています。また、借地人が住居用の建物を建てた場合、固定資産税が軽減されます。
- 事業用定期借地権
事業用定期借地権とは、居住用ではなく事業のために土地を賃貸借する定期借地権のことを言います。期間は10年とするケースが多く、当面の使い道がない土地や、子や孫にその土地に家を建てさせたい場合などに向いています。
- 建物譲渡特約定期借地権
建物譲渡特約定期借地権とは、借地権の存続期間である30年以上の期間が満了したら地主が借地人から建物を買い取ることで権利が消滅する借地権です。一般定期借地権に比べ短期間で借地契約を終了できます。
普通借地権
- 自用地価格×借地権割合
自用地価格:その土地を何の制約もなく、自分の土地として使用する際の評価額
普通借地権とは契約満了後も更新できる借地権のことをいいます。存続期間は30年以上です。とくに更新手続きをすることなく更新される法定更新となり、土地の貸主は正当な事由がない限り、更新を拒否することはできません。