限定承認の手続きについて
限定承認とはプラスの財産の範囲内でマイナスの財産を相続するという相続方法です。マイナスの財産が多くあるが、自宅など手放したくないプラスの財産がある場合などに選びます。限定承認手続きの流れをご説明します。
(1)家庭裁判所へ申立てる
下記の書類を用意して家庭裁判所へ限定承認の申立てを行います。
- 申述書、財産目録、当事者目録、被相続人の住民票・除票又は戸籍の附票、被相続人の出生時から死亡時までの全ての戸籍、申述人全員の戸籍謄本、申述に必要な添付書類
※追加書類がある場合があります。
※相続人が複数の場合、相続人全員の合意のもと行います。
(2)請求申し出の公告
限定承認が受理されたら5日以内に「限定承認をしたこと及び債権の請求をすべき旨」の公告手続きを行います。公告の申込には官報販売所、メール、インターネットサイト、郵送などを利用します。政府発行の“官報”に「債権者は名乗り出てください」といった内容が掲載されます。
公告期間内に行う手続き
- 不動産の見積り
相続財産清算人が家庭裁判所に対し不動産競売の申立てを行い、相続予定の不動産の換価を行う。 - 財産管理用口座を作成(相続人が複数名の場合)
家庭裁判所より選定された財産管理人は、清算の手続きに必要な口座を開設し、管理する。 - 相続財産の見積り
限定承認の審判書を準備し、相続人名義の口座から財産管理口座に預金を移す。被相続人名義の口座は解約する。
公告期間終了後の手続き
- 財産の処理
余った財産については限定承認した相続人に配当する。 - 返済手続き
公告期間終了後、相続財産清算人は債権者に対し債権額の割合に応じた配当をする。