2021年12月01日
Q:遺言書を作成しておけば確実に寄付できるものなのか、司法書士の先生にお伺いしたいです。(鈴鹿)
司法書士の先生、はじめまして。私は鈴鹿在住の70代男性です。
3年前に妻を亡くし、現在は鈴鹿の自宅で一人暮らしをしております。長いこと仕事人間だった私には多額の預貯金がありますが、妻を亡くしたことでその使い道もすっかりなくなってしまいました。
私たち夫婦には子供がおりませんし、両親もすでに他界しておりますので、このままだと私の財産は年の離れた弟に渡ることになるかと思います。
お恥ずかしながら弟とは昔から折り合いが悪く、妻との老後に使うはずだった預貯金を弟に渡すのかと思うとやりきれない思いでいっぱいです。
どうしたものかと考えあぐねていたところ、知人から「遺言書を作成しておけば慈善団体に寄付できる」という話を聞きました。
弟に渡すくらいなら慈善団体に寄付したほうが余程ためになりますし、ぜひともそうしたいと考えております。
いくつか寄付したい団体を見つけたのですが、知人のいうように遺言書を作成しておけばそれらの団体へ確実に寄付することはできるのでしょうか?(鈴鹿)
A:公正証書遺言で遺言書を作成しておけば、希望する団体へ寄付することは可能です。
知人様からお聞きになった通り、ご自分の財産を希望する団体へ寄付する旨を記載した遺言書を作成しておけば、それらの団体へ確実に寄付することができます。
しかしながら方式の不備等により遺言書が無効になると財産を寄付することはできなくなってしまうため、作成する際は確実性の高い「公正証書遺言」をおすすめいたします。
公正証書遺言とは遺言書(普通方式)を作成する際の方法のひとつで、公証役場にて遺言者が口述した内容を公証人が書面化し作成します。
また、遺言書の原本はその場で保管されるため、方式の不備による無効はもちろんのこと、紛失や改ざんといったリスクも回避できます。
公正証書遺言で作成した遺言書は家庭裁判所での検認手続きをせずに開封できるため、すぐに手続きを進められる点も大きなメリットです。
今回、ご相談者様は相続人以外の方への寄付をご希望とのことですので、遺言書の内容を実現するために必要な事務手続きを進めてくれる「遺言執行者」を遺言書内で指定しておくと良いでしょう。
また、慈善団体のなかには現金、もしくは現金化した財産による寄付しか受け付けていないところもあります。
ご自分の財産を確実に寄付するためにも、団体の正式名と寄付内容についてはあらかじめきちんと確認しておきましょう。
鈴鹿・四日市相続遺言相談室では遺言書に関するご質問・ご相談はもちろんのこと、遺言書の文面の提案や必要な書類の収集まで幅広くサポートさせていただいております。
鈴鹿をはじめ鈴鹿近郊で確実な遺言書を残したいとお考えの方は、鈴鹿・四日市相続遺言相談室までぜひお気軽にお問い合わせください。
鈴鹿をはじめ鈴鹿近郊の皆様の相続・遺言書に関するお困り事を解消できるよう、鈴鹿・四日市相続遺言相談室のスタッフ一同、親身になってご対応させていただきます。
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2021年08月04日
Q 司法書士の先生に相談です。遺品整理をしていたら父が直筆で書いた遺言書を発見しましたが、親族が集まって勝手に開封してしまってもよいものですか。(鈴鹿)
司法書士の先生に遺言書についてご相談があります。
私は鈴鹿で暮らしている50代のサラリーマンです。先日父が入院していた鈴鹿市内の病院で亡くなりました。
鈴鹿の実家にて葬儀を無事に済ませ、遺品整理を始めました。すると、父の遺品の中から遺言書が見つかったのです。
遺言書はしっかりと糊付けされていて、封筒に書かれている字は父のもので間違いないです。
遺言書を見つけたのが私一人のタイミングだったため、他の親族から改ざんなど疑われないように未開封のまま保管しています。
相続人となる親族を集めて遺言書を開封する日を決めようと思っていますが、そもそも親族だけで遺言書を開封してもよいものでしょうか。
後々トラブルになることだけは避けたいと考えています。(鈴鹿)
A 自筆遺言書は勝手に開封せずに、家庭裁判所に出向いて検認の手続きを行ってください。
ご相談ありがとうございます。
今回発見された遺言書はお父様が自筆で書かれたとのことですから、①自筆証書遺言②公正証書遺言③秘密証書遺言の3種類ある遺言書の形式の中の①自筆証書遺言という形式になります。
自筆証書遺言は自由に開封することは出来ませんので、家庭裁判所にて検認の手続きを行ってください。
(※ただし、2020年7月より自筆証書遺言書の保管を法務局で行う事が可能となり、法務局で保管していた自筆遺言証書に関しては家庭裁判所での検認手続きは不要です。)
検認を行う理由や目的として、相続人がその存在と内容を確認すること、家庭裁判所においてその遺言書の形状や訂正等、検認の日における内容を明確すること、偽装防止等があります。もし、遺言書を勝手に開封してしまった場合、民法によって5万円以下の過料に処すると定められていますので注意しましょう。
また、遺言書が存在する相続の場合、基本的には遺言書が優先されますため、検認の手続きはとても重要となります。
検認の手続きの流れとしては下記です。
- 家庭裁判所に提出する戸籍等の必要書類を集める
- 遺言書の検認手続きを行う
- 遺言書の検認が完了後、検認済証明書が付いた遺言書を元に手続きを進める
なお、相続人全員が揃わなくても検認手続きを進めることは可能ですが、基本的に検認を行わないと、遺言書に沿っての不動産の名義変更、各種手続きは進めることは出来ません。
また、遺言書の内容が一部の相続人の遺留分を侵害する場合、その相続人は遺留分を取り戻すことが認められています。
鈴鹿・四日市相続遺言相談室では、遺言書作成や納税まで幅広く相続手続きに関するご相談をお受けしております。
初回のご相談は無料にてお伺いしておりますので、お気軽にお問い合わせください。
鈴鹿の地域事情に詳しい専門家が鈴鹿にお住まいの皆様からのお問い合わせに親身になってお受けします。
鈴鹿・四日市相続遺言相談室スタッフ一同心よりお待ち申し上げております。
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2021年05月08日
Q:元気なうちに遺言書を作りたいと考えています。基本的なことから司法書士の先生に教えていただけると助かります。(四日市)
司法書士の先生、はじめまして。私は祖父の代から四日市で暮らしている70代の男性です。これまでに大きな病気をしたことはありませんが年齢が年齢なこともあり、元気なうちに遺言書を作成しておいたほうがいいと考えるようになりました。
そうはいっても遺言書を作成するのは初めてのことですので、何から手をつければ良いのかさっぱり分からない状態です。大変恐縮ではありますが、基本的なことから教えていただけないでしょうか?(四日市)
A:まずは遺言書の種類についてご説明いたします。
お亡くなりになった後、ご自身の財産を「誰に」「何を」「どのように」分割するのかをあらかじめ決めておくことができるのが遺言書です。ご自身の意思を反映した相続を行いたいのであれば、ご相談者様のように元気なうちに遺言書を作成することをおすすめいたします。
基本的なことから教えていただきたいとのことでしたので、まずは遺言書の種類についてご説明いたします。遺言書(普通方式)には大まかに分けて「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」という3つの種類があります。
遺言者が自筆で作成する「自筆証書遺言」
自筆証書遺言とは、遺言者が内容の全文、作成日および署名等を自書・押印して作成する遺言書です。ご自分で作成するため費用はかかりませんが、方式の不備があると無効になるリスクがあります。また、家庭裁判所にて検認手続きをしないと遺言書は開封できません。
※2020年7月より法務局での保管が可能になり、保管申請済の自筆証書遺言については家庭裁判所での検認手続きは不要。
専門家が作成する「公正証書遺言」
公正証書遺言とは、遺言者の口述をもとに公証人が作成する遺言書です。専門家が作成するため、自筆証書遺言のように方式の不備による無効の心配はありません。また、公証役場にて原本を保管することから偽造や紛失のリスクがない点もメリットだといえますが、多少の費用がかかります。
内容を秘密にできる「秘密証書遺言」
秘密証書遺言とは、遺言者が作成した遺言書の存在を公証人が証明するという遺言書です。公証人は遺言書の存在を証明するだけで、その内容は遺言者のみが知ることになります。そのため、慎重に作成しないと無効になる恐れがあり、実際に利用されている方はほとんどいないのが現状です。
費用をかけることなくいつでも手軽に作成できるという点では、自筆証書遺言がもっとも取りかかりやすい遺言書だといえるでしょう。しかしながら、確実で安心な遺言書を残したい場合は、専門家が作成する「公正証書遺言」を選択することをおすすめいたします。
鈴鹿・四日市相続遺言相談室では、四日市をはじめ四日市周辺にお住まいの皆様の頼れる専門家として、遺言書作成に関するお悩みやお困りごとの解決を全力でサポートいたします。初回無料相談も実施しておりますので、四日市をはじめ四日市周辺にお住まいの皆様、まずはお気軽に鈴鹿・四日市相続遺言相談室までお問い合わせください。
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